番   号

 (No. 68) 通番:48.2

会 社 名

 MNF

件   名
 廃棄物缶詰室における火災発生について(続報)
発 生 日
 2008-11-18
場   所
 廃棄物缶詰室
登 録 日
 2008-12-15
概   要
1.事象及び作業の概要
1.1 事象の概要
平成20年11月18日(火)11時15分頃、放射線管理棟廃棄物缶詰室(第1種管理区域)において、 解体フード内でプラズマ切断機による廃棄物の減容作業中、除染済み金属フィルタを切断している際、当該の金属フィルタから発火しました。 直ちに作業者が消火器により消火し、11時19分消防へ通報しました。
周囲への延焼、作業者の怪我・被曝等は無く、またモニタリングポストの指示値にも異常は無く、当該事象による周辺環境への影響はありませんでした。


※モニタリングポスト指示値
MNF局 0.033μSv/h(12:30)
NDC局 0.035μSv/h(12:30)
なお、平常値は 0.03〜0.1μSv/h


1.2 プラズマ切断作業概要
解体フード内では金属廃棄物を減容するため、プラズマ切断機などにより廃棄物を切断する作業を行っています。
プラズマ切断とは、切断対象材とトーチ内の電極との間にアーク放電を行い、その熱を利用し切断する方式で、 アーク放電の熱がガス(空気)を高温のプラズマ状態にしてノズルから高温・高流速なプラズマジェットを吹き出し、 切断対象材(被切断材)を溶融して切断するものです。
プラズマ切断作業時には、保護具としてタイベックスーツ、耐火スーツ、エアーラインフード、皮手袋、耐火靴を着用します。 また作業上の留意事項として、作業前に解体フード内に可燃物が無いこと、及び切断対象物に油分の付着が無いこと等を目視により確認しています。


2.原因究明
2.1 ドラム缶開缶調査
当該金属フィルタから炎が出たことを受け、同様の金属フィルタの存在と、金属フィルタと混在する他の廃棄物、 特に可燃性物質(油分)の混在を確認するため、分別・仕分け後のドラム缶40本について開缶調査を行いました。
調査の結果、切断された金属フィルタが16本(切断前の状態で約8本相当分)確認されました。これらの金属フィルタ表面の油分付着は、目視では確認されませんでした。
また金属フィルタ以外の金属廃棄物には、機械油類の付着しているものが確認されるとともに、僅かに内容物が残留した廃油缶、塗料缶、潤滑剤(スプレー缶)が発見されました。


2.2 原因究明
プラズマ切断機の点検結果、ドラム缶開缶調査結果、当該金属フィルタ残材及び発見された機械油類の分析結果等を踏まえ、 当該金属フィルタの発火事象について原因分析を行いました。
その結果、保管廃棄中にドラム缶内で当該金属フィルタと混在した金属廃棄物から出た機械油類が、多孔質状のフィルタ部分に浸み込み、 外観上の目視では油分の存在が確認できず、そのままプラズマ切断機により加熱されたことにより機械油類が燃焼したことが、当該金属フィルタ発火の原因と考えられます。


3.再発防止対策
原因究明の結果を踏まえ、目視では油分の存在が確認できない金属廃棄物があることを考慮し、再発防止対策として次の様な切断条件の見直しと、金属廃棄物の管理強化を行います。


3.1 切断条件の見直し
廃棄物倉庫から取り出す金属フィルタについては、目視で油分の存在が確認できない金属廃棄物であり、今後は切断を行わないこととします。
今後発生する金属フィルタについては、油分と隔離して管理した上で、高速カッターにより切断します。
金属フィルタ以外の切断については、油分の存在が目視で確認できる金属廃棄物のみを切断することとします。なお、プラズマ切断については必ず油分の除去を行うこととし、 高速カッター及びバンドソーによる切断については、油分の付着が目視確認された場合は油分の除去を実施します。


3.2 金属廃棄物の受払い及び保管に係る管理強化
今後発生する金属廃棄物については、発生元と減容を担当する部門との受け払いにおいて、新たに伝票を使用することとし、油分の付着の無いことが目視確認されたものであること、 また金属フィルタについては油分と隔離して適切に管理されていたものであることを、発生元部門が確認して引き渡すことを確実にします。
また、金属廃棄物(廃棄物倉庫から取り出し減容処理したもの、及び今後発生するもの)を保管する際、油分が付着したもの、及び油分の存在が目視で確認できないものについては、 油分が存在するものとしてその旨を表示し、保管管理を強化します。

上記、3.1及び3.2の見直し内容及び管理強化内容を作業標準書に反映し、作業者に教育・周知した上で、平成20年12月15日(月)より、再発防止対策の運用を開始する予定です。
なお、プラズマ切断作業については、念のため油分等に対する安全性検証調査を更に行った上で、作業を再開する予定です。


4.水平展開
燃料棒溶接室における火災に続き、今回の度重なる火災発生を鑑み、火気使用管理に重点をおいた再点検、 事業所内の全従業者への教育等を行い、火災防止に係る水平展開(予防処置)を図ります。
以上
 本報に添付書類がある時のリンクファイル名

  MNF20081215.pdf 

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